第268章

「彼の方から接触してきたと?」空見灯は眉を顰めた。

彼女の記憶にある零崎高識という人物は、決して自分から他者に協力を仰ぐようなタイプではない。その扱いにくさゆえに、桐谷憂でさえ自ら乗り出さざるを得なかったほどだ。それなのに、なぜ五十嵐悠真ごときに自ら接触を図ったのか?

「ええ。零崎教授は有名ですが、性格が偏屈なことでも知られていますからね。ただ……」五十嵐悠真は言葉を濁し、どこか後ろめたそうに空見灯を窺った。「空見さん、正直に話しても怒らないでいただけますか?」

「私が? まさか。彼と組むつもりはないもの」空見灯は首を振った。「私たちには新しいパートナーがいるわ。あなたたちが手を組んだ...

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