第274章

「二十億? ミニマムで、ですか?」

 零崎高識の声が裏返った。

 彼もそれなりに富裕層との付き合いはあるが、呪療師の報酬がこれほど高額だとは想像もしていなかったのだ。

 空見灯は淡々と頷く。

「死の淵から生還できるのです。あの手の富裕層にとって、二十億で命が買えるなら安い買い物でしょう」

「ですが……私にはそんな金はありません」

 零崎高識の全身から力が抜け、その場に崩れ落ちそうになる。

 息子の零崎長誠が発病したときから、呪療師に頼ることは考えていた。現代医療で見放された以上、オカルトだろうと何だろうと縋るしかなかったからだ。

 だが、その対価がこれほどとは。

 空見灯は...

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