第295章

「ご安心ください。正体は絶対に漏らしませんから、まずは隣で休んでいてください」

 成田夏目はすでに隣の病室を空けさせ、空見灯が休息できるよう手配を整えていた。

 空見灯はあたりを見回したが、桐谷憂の姿はない。

 少し考えた後、彼女はついてきた成田響に視線を向けた。

「あとで、ソフィアに以前どんな薬を使っていたのか聞き出して。飲み合わせによる副作用が懸念されるから、直近三ヶ月の治療経過がどうしても必要だと言って」

「わかりました。任せてください」

 成田響は真剣な表情で頷いた。

 チン!

 エレベーターの到着音が響く。空見灯は足早に隣の病室へと入ったが、ドアは閉め切らず、少しだ...

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