第297章

桐谷憂が最近多忙を極めていることを知っていた空見灯は、一人車を走らせて片明メディアへと戻った。

ここ最近、会社の業績は絶好調だった。新人や一般のタレントでさえ、広告撮影やバラエティ番組の仕事を次々と獲得しているほどだ。

忙殺された一日を終え、空見灯が会社に辿り着いた頃には、東の空が白み始めていた。

週末だというのに、社内には多くの社員が残り、活気に満ちている。

「空見社長、やっとお戻りですね」

源静流が書類の山を抱えて歩み寄ってきた。

「これ、すべてここ数日の決裁書類です。電子署名不可のものもありますので、先にご確認をお願いします」

源静流はそう言うと、空見灯をそのまま社長室へ...

ログインして続きを読む