第308章

神代幽は用件を告げると、それ以上は言葉を継がなかった。

互いに腹の探り合いは無用、桐谷憂ならば言わずともこちらの意図を理解するはずだと踏んでいたからだ。

もし人工知能搭載型アームの機密データが流出すれば、桐谷グループの損失は数十億程度では済まない。

風間理央の裏切りを交渉材料にする――神代幽はこの手札に絶対の自信を持っていた。

沈黙を守る桐谷憂を見やり、神代永命が腕を組みながら勝ち誇ったように口を開く。

「桐谷社長、医療機器分野において桐谷グループは産声を上げたばかりの赤子も同然だ。いくら貴社の資金力が潤沢で実力があろうとも、技術的な裏付けがなければ全て徒労に終わる」

「祥栄テッ...

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