第六十七章

原本、空見睦月はまだ家で、空見灯が泣きついてくるのを、あるいはあの警備員と離婚すると喚き散らして戻ってくるのを待っているはずだった。

しかし丸一日経っても灯は戻らず、睦月は少しばかり不安を覚えた。

花邑栞はずっと灯が警察に通報することを恐れていたが、睦月は神崎椿を信じることを選んだ。

神崎椿が電話に出なくなっても、彼は気にしなかった。

なぜ椿が執拗に灯を目の敵にするのかは知らないが、自分の目的さえ果たせればそれで十分だった。

どうせ灯は桐谷憂と離婚するのだ。もし神崎曉人が彼女を気に入れば儲けものだ。

たとえ神崎曉人が彼女を捨てたとしても、彼女はあの祖母と連絡がつく。

金が取れな...

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