第十六章 動画による脅迫とマッサージの誘い

夜はすっかり更け、ホース私立リハビリテーションセンターの廊下には消毒液と淡い薬の香りが混ざり漂っていた。

桐谷晨は慌ただしい足取りで長廊を抜け、夜風に吹かれてスーツの上着は乱れている。

頭の中には、雪穂が車の事故に遭った後の蒼白で絶望した顔、そして彼の叔父・桐谷淵の襟元を震えながら掴んだ姿が何度もよぎる。

あの瞬間、叔父の冷徹な視線が刃のように自身を切り裂くのをはっきりと感じた。

「命を何だと思っている」という五文字が今も耳に響いて離れない。

本来なら真っ直ぐパークビュー湖畔のマンションへ戻り、ブレーキ故障の経緯、なぜ何度も雪穂を失望させ続けたのか説明しなければならなかった。

だがリハビリ施...

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