第十八章 オーロラ接待に潜む暗い流れ

宮本雪穂はオーロラベンチャー孵化器最上階オフィスの執務席に座っていた。夕暮れの光が掃き出し窓から斜めに室内へ降り注ぎ、山積みされたプロジェクト資料一枚一枚にオレンジ色の輝きを塗る。

指先でそっとこめかみを押さえる。午後、桐谷淵の執務室で彼のマッサージを施した時の感触が、まだ残っている。

深く息を吸い、再び目の前の独立プロジェクト企画書へ意識を集中させる。

一行一行のデータ、一枚一枚の図表は、過去三年間、霧川大学 AI 工学科で常に首席を守り続けた証である。

オフィスのドアが勢いよく開けられ、張総経理が満面の笑みを浮かべて入ってくる。手には通話直後のスマートフォンを握っていた。

スーツのネクタ...

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