第 25 章 生化学棟の銀のタッセル

宮本雪穂は廃棄生化学実験棟の地下通路奥に身を丸め、意識はホルマリンに浸されたかのように霞がかり、重く垂れていた。

冷たい地面が、破れた白いワンピースを通じて肌に染み渡る。手首と足首には太いロープで締めつけられた焼けるような痛みが残っている。

空気には刺激的な薬品のにおいが充満し、一呼吸するたび、過去の傷がまた引き裂かれるような感覚に襲われる。

桐谷淵のスマホ画面には、位置情報の微弱な赤い点が安定して点滅していた。

彼は一人、北区の管理不備な階段を下りていく。足音は空っぽの廊下に鮮明で穏やかに響き渡る。

理事会執行役として、自ら危険な場所に踏み入れる必要など本来ない。だが張総括から宮本雪穂 —...

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