第 67 章 責め苦に一夜も眠れず

宮本雪穂は霽川大学南区の馴染みのカフェの隅に座っていた。

深く息を吸い、目の前のノート PC に意識を引き戻そうと努める。

画面には、何度も書き直した独立プロジェクトの PPT が表示されていた。

オーロラ・ベンチャーの面接招待は予想より早く届いた。これは桐谷晨の張り巡らせた支配網を探る機会であると同時に、妹の雪乃の治療費と自身の学術的自立をかけた最後の挑戦でもあった。

カフェの時計は一時十分を指している。約束の時間より丸一時間早く到着していた。

雪穂は運命を制御不能な偶然に委ねるのが嫌いだった。今の状況ならなおさらだ。待ち時間が長くても、遅刻やプロフェッショナルではない印象を与えるわけには...

ログインして続きを読む