第106章

「彼が本気で二回戦を始めようとしている」

 それを察した藍原華月は、慌てて拒絶の言葉を口にした。

「べ、別に不満なんてないわ……あなたの愛し方には、本当に満足してるから」

 その言葉に満足したのか、碧井天川はようやく動きを止めた。

 彼女の体を丁寧に洗い流した後、彼は優しく浴室から抱きかかえて連れ出し、ドレッサーの前の椅子に座らせた。

 彼は櫛を手に取り、彼女の髪を乾かし始める。

 鏡越しに映る碧井天川の優しく献身的な姿を見て、藍原華月の胸には言葉にできない感情が込み上げてきた。

 もし、ずっとこうしていられたら、どれほど幸せだろうか。

 ただ、碧井天川がどう思っているのかは...

ログインして続きを読む