第11章

これまでの度重なる嘘のせいで、碧井の祖父に対する天川の信用は地に落ちていた。

 通話を終えた祖父は、スマホを藍原華月に返しながら請け合った。

「明日は必ず、あの馬鹿息子を連れて行かせるから安心しなさい」

「ありがとうございます、お義父様!」

 目的を達した華月は、内心で快哉を叫んだ。

 やはり碧井の祖父を味方につけたのは正解だった。

 夜。

 華月は論文に取り組みながら、時折リンゴをかじっていた。

 ドアが開き、碧井天川の高大で逞しい姿が寝室に現れる。彼は疲れた様子でネクタイを緩めた。

 無造作なお団子ヘアで、リスのように頬を膨らませてリンゴを咀嚼する華月。その姿を見て、天...

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