第116章

 藍原の問い詰めに対し、千早の表情が瞬時に凍りつく。固く握りしめた拳が、怒りで震えていた。

「会社の発展のために決まっているだろう! お前の娘と碧井家の縁談は、本来なら会社にとって天から降ってきたような好機だった。それなのに、お前はなんだ? 娘が碧井家に侮られないようにと、向こうからの大型案件をいくつも断りおって……私は株主だぞ、利益を最優先にして何が悪い!」

 本来なら、碧井家との縁談がまとまれば、藍原グループは碧井グループという巨木に寄りかかり、左団扇で暮らせるはずだった。

 だが、誰が予想しただろうか。藍原は碧井グループの好意を頑なに拒み続けたのだ。

 千早たち株主は、目の前で...

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