第118章

父親の声を聞いた瞬間、藍原華月は弾かれたようにベッドから起き上がった。

「お父さん、どうしてあなたが天川と一緒にいるの?」

「今夜は天川くんと食事をして、少し仕事の話をしていただけだよ。変な勘繰りはよしなさい。天川くんの周りに、やましい女性なんていないから」

 父親のその言葉に、藍原華月は穴があったら入りたい衝動に駆られた。

 先ほどの碧井天川との会話が、すべて父親に筒抜けだったのだ。

「わ、分かったわお父さん。じゃあ、お仕事の話を続けて。切るわね」

 言い終わるや否や、藍原華月は逃げるように通話を切った。

 藍原はスマホを碧井天川に返しながら、苦笑いを浮かべた。

「娘は敏感...

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