第125章

「動くな」

 点滴がずれてしまうのを案じ、碧井天川は反射的に彼女をベッドに押し留めた。

「でも、トイレに行きたくて……」

 長時間の点滴で、彼女の我慢は限界に達していた。それに、碧井奏に病院へ担ぎ込まれた時は出血が止まらず、衣服にはまだ血の跡が残っている。

 その言葉で、碧井天川はようやく状況を思い出した。

「付き添おう」

 彼は点滴のボトルをフックから外すと、藍原華月の体を支え、ベッドから降ろそうとする。

 だが、藍原華月は躊躇った。頬を朱に染め、もごもごと口籠もる。

「一人で行きたいの。その……先に出ててくれない?」

 ズボンは血で汚れている。そんな無惨な姿を碧井天川に...

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