第136章

「まあ、そうだな。夫の金は妻のものだと言ったのは君だろ? 俺の妻に金がないなんて思いをさせるわけにはいかない」

 碧井天川から主体的に渡された金に、藍原華月の胸の奥が甘く疼く。だが、彼女は手を伸ばそうとはしなかった。

「ありがとう、あなた。でも私、そんなにお金を使うこともないし、毎月お父さんからもらうお小遣いも使い切れないくらいなの」

 碧井家に嫁いでからというもの、実家の両親は彼女が肩身の狭い思いをしないようにと、以前よりも多くの金額を振り込んでくれているのだ。

 両親の親心を知っているからこそ、華月は天川のカードを受け取るわけにはいかなかった。

 拒絶された天川は眉を寄せ、瞳に...

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