第149章

 藍原華月は彼女に答えず、そのまま立ち去った。

 このあとホテルへ向かい、事前の準備をしなければならない。彼にサプライズを仕掛けるためには、入念な仕込みが必要なのだ。

 一方、社長室では。

 碧井天川が小林アシスタントに向かって怒号を飛ばしていた。

「まだ分からんのか!」

「判明しました……。奥様はヒカルホテルに部屋を取られています。それもダブルの……カップルスイートでして……」

 報告するにつれ、小林の声は消え入りそうなほど小さくなった。

 奥様は社長を裏切ろうとしているのだろうか?

 その可能性が脳裏をよぎった瞬間、小林は心の中で藍原華月の無事を祈った。激昂した社長が乗り...

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