第164章

 藍原華月は運転手に電話をかけ、現在地を告げると、二人で駐車場にて待つことにした。

 ほどなくして車が到着する。運転手は華月に支えられている碧井天川の姿を認めると、血相を変えて駆け寄ってきた。

「天川様、いかがなさいましたか? おみ足にお怪我でも? すぐに病院へ向かいますか?」

 その狼狽ぶりを見て、華月は思わず吹き出しそうになる。

 もし彼が、旦那様が怪我をしたのではなく、遊園地のアトラクションではしゃぎすぎて腰を抜かしただけだと知ったら、きっと運転手も笑いを堪えきれないに違いない。

 天川は不機嫌そうに顔をしかめた。

「……必要ない。なんでもない」

 高所恐怖症であることを...

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