第166章

奏の言葉を聞いた柊木汐里は、彼を睨みつけた。

「奏、馬鹿なこと言わないの。華月さんと叔父さんは夫婦なんだから、一緒に寝るのは当たり前でしょ。そんな話、叔父さんに聞かれたら足をへし折られるわよ」

 母親の理不尽な言い草に、碧井奏は呆れたように返した。

「母さん、僕だって結婚はしてないけど、もう子供じゃないんだよ。男と女のアレコレくらい分かるって」

 彼はもう二十二歳だ。男女の営みについて分からないはずがない。それなのに、家族はいつも彼を子供扱いする。それが奏には少し不満だった。

「何が分かるんだ? 言ってみろ」

 頭上から碧井天川の低く磁性のある声が響いた。奏が顔を上げると、叔父の...

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