第174章

 藍原華月は碧井天川の目を見ることができず、伏し目がちに言った。

「あなたのこと、誤解してた……」

 彼女の疑いが晴れたのを見て、天川は安堵の息を漏らすと同時に華月を抱き寄せた。頬に残る涙の跡を指で優しく拭う。

「やっと信じてくれたか? 危うく浮気の汚名を着せられるところだった」

 今夜、浮気を確信されていたことを思うと、天川の胸中は複雑だった。

 身の潔白を証明できたからよかったものの、もし彼女が耳を貸さず、断固として離婚を突きつけられていたらどうなっていただろう。

 天川の表情に一点のやましさもないのを見て、華月はようやく心の底から彼を信じることができた。

「だって、あんな...

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