第192章

「お義父さん」

 藍原華月は気乗りしない様子で挨拶を済ませると、すぐに二階へ上がろうとした。

 一足先に帰宅していた碧井奏が、学校での出来事をすべて家族に話してしまっていたからだ。

 藍原華月の機嫌が優れないのを見て取った柊木汐里が歩み寄り、その手を取った。

「月、今日の学校はどうだった?」

「ええ、よかったですよ。どうしてですか?」

 義姉の心配そうな眼差しと、その背後で何食わぬ顔を装っている碧井奏を見て、藍原華月はすぐに察した。彼が今日の学校での一件を家族に告げ口したに違いない。

「お義姉さん、あの人のスキャンダルのことですよね?」

 藍原華月から話を切り出したのを見て、...

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