第204章

「いいから、ここはもう用済みよ。好きなところへ行ってちょうだい。私は夫の看病をするから」

 碧井奏がこれ以上視界に入るのが鬱陶しく、藍原華月は容赦なく彼を部屋から追い出した。

「ちょっと、あんまりじゃないか? 用が済んだらポイ捨てかよ。恩知らずだな!」

 さっき叔父を二階まで運ぶのを手伝ってやったというのに、礼の一言もないとは。

「行くの? 行かないの? ぐずぐずしてると、夫を叩き起こしてあなたを摘み出してもらうわよ」

 碧井奏にとって、この世で最も恐ろしい存在こそが、この叔父だった。

 彼はベッドに横たわる叔父を盗み見やり、急に目を覚ますのではないかと肝を冷やす。

「はいはい...

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