第206章

「本当よ。こんなことで冗談なんて言うわけないじゃない」

 藍原華月は恨めしげに碧井天川を見つめた。

「私の気持ち、通じてないの?」

 彼女の口から再び肯定の言葉を聞き、碧井天川の胸が激しく震えた。次の瞬間、彼は彼女を腕の中に引き寄せ、力強く抱きしめた。

「あなた、苦しい……力が強すぎるわ」

 藍原華月は両手を彼の胸に押し当てた。締め付ける力が強すぎて、窒息しそうだったのだ。

 その声に、碧井天川は慌てて腕を緩めた。

「すまない、力が入りすぎた。痛かったか?」

 再び戻った優しい眼差しを見て、藍原華月は悔し紛れに彼の胸を叩いた。

「昨日の夜からずっと無視して……私がどれだけ辛...

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