第208章

 藍原華月の表情は一瞬にして険しくなった。

「誰が私の旦那を『役立たず』だって?」

 突然怒り出した藍原華月に、碧井奏は反射的に距離を取った。その声には少し自信がなさそうだ。

「いや、叔父さん自身が認めてただろ? それに時間があったら病院に行って検査するって言ってたし」

 今朝の食事の時、彼は確かにそう耳にしたのだ。

 まさか自分の叔父が、そっち方面に問題を抱えているとは夢にも思わなかったが。

 やはり、年齢という壁は男にとって残酷なものらしい。

 碧井奏が完全に夫の「不能」を信じ込んでいる様子を見て、藍原華月は眉間の皺をさらに深くし、真顔で言った。

 彼女は碧井奏の目をじっ...

ログインして続きを読む