第225章

その言葉を聞いた瞬間、碧井老人の顔に気まずさが走った。

 本来なら華月ちゃんを庇おうとしたつもりが、藪蛇をつついて息子の矛先を自分に向けてしまったらしい。

「せっかく行ったんじゃから、味見くらいするじゃろう。食べてみんと、今の若者が何を好んでおるのか分からんしな」

 父親の開き直りに、碧井天川の声色が一段と低くなる。

「親父、前回何が原因で入院したか忘れたんですか? よくもまあ、懲りずに変なものを!」

 突然の怒声に、場にいた三人がびくりと肩を震わせた。

 夫が前回の件だけで怒っているのだと思い込み、藍原華月は目を赤くした。まるで叱られた子供のようにうつむき、しおらしく謝罪する。...

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