第230章

「以前からの治療で、お母様のうつ病の数値は確かに改善傾向にありました。今日の出来事は我々としても全くの想定外でして……」

 碧井天川は、言い訳を並べる医師を冷ややかな目で見据えた。

「想定外の一言で、今日の不始末を済ませるつもりか?」

 病院側の過失により、俺の妻と母が危険に晒されたのだ。そう考えただけで、碧井天川の纏う空気がさらに凍てついたものへと変わる。

「碧井社長、誠に申し訳ございません。こちらの管理不行き届きです。二度とこのようなことが起きぬよう、病院として深く反省し、再発防止に努めますので」

 医師の誓約を聞き、碧井天川は鼻で笑った。

「今回だけで十分だ。次があると思っ...

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