第231章

他の人間が言ったのであれば、碧井天川は耳を貸さなかっただろう。だが、言ったのが藍原華月だったからこそ、彼はその話題をそこで切り上げた。

 病院で夜まで付き添った後、二人はようやく帰路についた。

 また今日のような事態が起きるのではないかと心配な碧井天川は、医療スタッフを捕まえて何度も念押しし、ようやく安心して藍原華月を連れて病院を後にしたのだった。

 帰りの車内、天川は時折、華月の横顔を盗み見る。視線は彼女の腕に巻かれた包帯へと落ち、何か言いたげにしては口をつぐんでいた。

「あなた、何か言いたいことでもあるの?」

 華月に沈黙を破られ、天川はようやく重い口を開いた。

「腕の具合は...

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