第233章

「小林、若い女の子はどんなデートを好むんだ?」

 デスクに座る碧井天川の脳裏には、藍原華月の姿ばかりが浮かんでいた。

 キーボードの上で指を止め、彼は小林へと視線を向ける。その口調は平坦だった。

「彼女は、どんなデートなら喜ぶと思う?」

 小林は眼鏡の位置を直すと、口元に微かな笑みを浮かべて言った。

「社長、もしや奥様とデートでございますか?」

「最近、ずっと家に閉じ込めていたからな。少しは気晴らしをさせてやりたいんだ」

 前回、藍原華月が母親を庇って腕を負傷して以来、碧井天川は彼女を自宅療養させていた。外出禁止、二十四時間体制でのメイド付き添いという徹底ぶりだ。

 本人はと...

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