第245章

 こんな苦しい言い訳を、果たして夫は信じてくれるだろうか。

 背中の傷に気づいているということは、その原因もすでに知っているということではないか?

 そう考えると、藍原華月は碧井天川を直視できなくなり、視線が泳ぎ始めた。

 夫が昨夜の闇市場での一件をすでに調べ上げているのなら、自分から白状したほうがいいのかもしれない。

 華月が迷っていると、天川が再び口を開いた。

「その背中の傷がどうしてできたのか、俺はよく分かっている。そんな下手な嘘で誤魔化せると思うな」

 華月の心臓が跳ねた。やはり、昨夜の行動はすべて筒抜けだったのだ。

 もう観念するしかない。

「あなた、私……」

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