第40章

「あなたたち! あなたたちって人は……」

 碧井夫人は藍原華月の一家を指差し、怒りで全身を震わせていた。

 母の手の火傷が酷くなっているのを見て、藍原華月はこれ以上彼女たちと時間を無駄にしたくないと思った。

「お母さん、病院へ行きましょう。手当てが必要です」

 そう言い捨て、彼女は碧井夫人の喚き声を無視し、母を支えてその場を後にした。

「なんてこと! 許しませんよ! あの人が帰ってきたら、今日のことは全部言いつけてやるんだから!」

 ……

 会議を終えたばかりの碧井天川は、落地窓(フレンチウィンドウ)の前に立ち、見知らぬ街のネオンを見下ろしていた。

 指先がスマホの画面上で長...

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