第45章

碧井天川は、ただ淡々と彼女を一瞥しただけで、何も言わなかった。

 藍原華月は唇を尖らせる。彼は今日、虫の居所でも悪いのだろうか。急にこれほど冷淡になるなんて、何か彼の気に障ることでもしただろうか?

 まあいい。何も言わないならそれでいい。こちらから機嫌を取るような真似は御免だ。

 食事が終わると、碧井天川は立ち上がり、ジャケットを手に取った。

「今夜は戻らない。待たなくていい」

「あ、そう」

 藍原華月は気のない返事をし、食器を片付け始めた。

 彼が冷たかろうがどうだろうが、彼女には関係ない。どうせ二人は、遅かれ早かれ離婚する運命なのだから。

 今はただ、碧井天川の方から離婚...

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