第46章

 藍原華月は口をつぐんだが、風祭鈴奈が代わりにその話題を引き取った。

「それが奇遇なのよ。華月の旦那様も名字は碧井。年は三十歳だけど、すっごいイケメンなんだから」

「三十歳のオッサンだって? まだ蕾みたいな華月に手を出すなんて、どういう神経してんだよ。華月、お前の青春をそんなジジイに潰されてたまるかよ」

 藍原華月は沈黙した。

 碧井奏は華月の肩に手を回し、訝しげな顔を覗き込む。

「まさかお前、年上趣味でもあるのか?」

 碧井奏の目は真剣だった。数日間の海外旅行から帰ってきたら、親友が結婚していた上に、相手が三十男だなんて到底受け入れられない。

 信じられないという顔をしている...

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