第7章

碧井夫人は不満げに眉をひそめた。

「あの鉢植えはとても高価なのよ。粗野な人間に傷つけられたらどうするの。天川、朝倉さんを案内してあげなさい」

 彼女はわざと朝倉紗雨にチャンスを作ろうとしているのだ。藍原華月がついて行ったら邪魔でしかない!

 碧井老人の顔色が沈んだ。碧井夫人を一瞥し、警告を含んだ口調で言う。

「天川は既婚者だ。朝倉さんと二人きりは不適切だ」

 碧井夫人は茶碗を持つ手を震わせ、碧井老人の視線を避けた。すぐに顔に作り笑いを浮かべる。

「あなたの仰る通りですわ」

 彼女が大人しくなったのを見て、碧井老人は藍原華月に視線を移し、声を和らげた。

「藍原華月、覚えておきな...

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