第81章

「いいか。華月がわざとやったわけじゃないことぐらい、わしだって分かっている。今日の一件はあくまで事故だ。明日彼女が来ても、誰ひとりとしてこの件を蒸し返してはならん。いいな?」

 碧井奏は祖父のその言葉を聞き、藍原華月の身を案じていた心がようやく少し軽くなったのを感じた。

 だが、彼女は今夜、叔父である天川に連れ帰られてしまった。あの叔父の性格だ、一体どんなお仕置きをされていることか……まさか、手を上げるなんてことはないよな?

 そう考えると、碧井奏は再び藍原華月のことが心配でたまらなくなった。

 電話を入れて様子を伺いたいところだが、こんなタイミングで連絡すれば、火に油を注いで叔父の...

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