第9章

 碧井天川は冷ややかに藍原華月を一瞥し、相手にするのも面倒で、そのまま書斎へ向かった。

 ドアを開けると、碧井老人が威厳たっぷりに机の前に座り、顔を曇らせていた。

「どこへ行っていた?」

 彼の怒りを無視し、碧井天川はソファに座ると、気だるげに足を組んだ。

「外出するのにも報告が必要ですか?」

「なんだその態度は!」

 碧井老人は碧井天川を睨みつけた。

「お前はもう既婚者だ。これからは他の女と距離を置け。藍原華月がお前の妻なんだぞ!」

 碧井天川の顔色が少し冷えた。あの女、また親父に告げ口したのか。俺の言葉を馬耳東風と決め込んでいるらしい!

 彼が黙っているのを見て、碧井老...

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