第8章

書斎からリビングへと歩きながら、私はその忌々しい革のフォルダーを固く握りしめていた。

すべてを理解した今でも、胸のうちでは怒りの炎が燃え盛っていた。隆に対する怒りではない。私たち二人の愚かな振る舞いに対する憤りだ。どうして彼は、たった一人でこんな痛みを抱え込まなければならなかったの? どうして、ただ彼の不安を打ち明けてくれなかったの?

彼と向き合って、こんな風に黙って苦しむことがどれほど馬鹿げているか、分からせてやるつもりだった。

陽が傾き、金色の光が床から天井までの窓を通して斜めに差し込んでいる。私はリビングの中央に立ち、先ほど泣いたせいでまだ赤く腫れた目で、彼の帰りを待って...

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