第123章 山崩れ

赤ん坊の腕ほどもある太さの金色の筋が、俺の上腕三頭筋あたりから手首まで伸びていた。

「これは?」

俺は驚きのあまり、言葉を失った。

水原琉衣が顔を近づけてそれを見ると、驚きの声を上げた。「西村晴馬、これ、蛇よ!」

俺は一瞬固まり、慌てて目を凝らした。

実のところ、さっきはざっと一瞥しただけだった。だが今度は、上から手首まで、じっくりと観察してみる。

いや、これは蛇ではない。正確に言うなら、蛟《みずち》だ。金色の蛟。

もし蛇なら、金色の筋の頭の部分に、角のような突起があるはずがない。

「早く、もう片方の腕を!」俺は焦って言った。

水原琉衣が急いで俺のもう片方の腕の袖をまくり上げ...

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