第128章 火攻め

あの谷は是が非でも手に入れたい。だが、百人を超える野人たちがその道を阻んでいる。

午後から夜まで考え続けたが、依然として有効な策は思いつかない。しかし、一点だけは明確になった。

力押しは不可能。智略で攻めるしかない。

「まだ考えてるの? もういいから、何か食べましょう!」

水原琉衣が外から入ってきた。手には焼いたイノシシの肉が二切れ乗っている。

俺はなんとか笑みを絞り出した。「ああ!」

焼き肉を受け取り、一口かぶりついたが、眉をひそめてしまった。このイノシシの肉はまったく火が通っておらず、中にはまだ血の筋が残っている。

俺はよく焼いた肉が好きなのだ。水原琉衣は慌てて...

ログインして続きを読む