第131章 恐ろしい野人の首領

「行ったか?」

俺は長いため息をつき、張り詰めていた精神が一気に緩んだ。

まさか、自分のとっさの思いつきが、これほど大きな危機を乗り越えることになるとは思ってもみなかった。

「ほら、これぞ外国語を一つ多くマスターしておくことの利点だな!」

気分は最高で、思わず自嘲気味に呟いてしまった。

さらに五分ほど待ち、谷に野人がやって来ないことを確認してから、俺は右側の野人の頭から軍刀を引き抜き、先ほどの過程を思い返した。

「そろそろだな。琉衣たちが来る頃だ!」

俺は入り口の野人の死体を処理せず、静かに水原琉衣たちのいる方へと向かった。

すぐに、慌ててやって来た水原琉衣たち一行と出くわした...

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