第132章 野人の谷を焼く

園田正子に続いて山頂に登り、火を放った者は十数人にも及んだ。

俺の号令一下、彼女たちはありったけの力で、燃え盛る枯れ枝を谷へ向かって投げ込んだ。

谷全体の面積からすれば、これしきの枯れ枝など物の数ではない。だが、野人どもに与えた衝撃は比類なきものだった。

つい先ほどまで威勢よく俺を取り囲んでいた野人どもは、途端に蜘蛛の子を散らすように逃げ惑い、首領がどれだけ怒鳴りつけようとも、まったく統制が取れていない。

しかも、野人どもの住処はもともと木で組まれているため、火の粉が引火し、燃え上がっていく。

野人の谷は、阿鼻叫喚の様相を呈していた!

「よしっ!」

状況が許すなら、拳を握りしめて...

ログインして続きを読む