第138章 川の中の藤蔓

河原から一歩出た途端、俺に不倶戴天の敵意を抱いているかのようだった蛙どもは、ぴたりと動きを止めた。そして何事もなかったかのように、悠然と来た道を引き返していく。

「ん? 河原を離れれば追ってこないのか?」

俺は訝しげに呟き、何度か試行を繰り返した後、ついに一つの事実を突き止めた。

この蛙の群れは、どうやら河原を自分たちの縄張りだと見なし、侵犯を許さないらしい。

俺が河原の範囲に足を踏み入れれば、奴らは積極的に攻撃を仕掛けてくる。

だが、中に入らなければ、たとえ外から石を投げて一匹の蛙を殺したとしても、何事も起こらない。

「くそっ!」

俺は悪態をついた。

今いる場所...

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