第19章 両者共倒れ

しばらく考え込んだ後、突然大胆な考えが浮かんだ。

私は水原琉衣に言った。

「もしかしたらだけど、あの熊と虎って大きな穴に落ちて、上がれなくなってずっと闘い続けてるってことはないかな?」

水原琉衣は私の言葉を聞いて、少し納得した様子だった。確かに生物は死を恐れるものだし、何の理由もなくずっと戦い続けるとは考えにくい。

「見に行ってみる?」

実のところ、私はあまり行きたくなかった。あの熊からの圧迫感があまりにも強く、少しトラウマになっていたからだ。

でも、彼らが森の中で轟音を上げ続けているせいで、他の動物たちは姿を現さなくなっていた。今は罠で獲物を捕まえるのも難しい状況だった。

そ...

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