第24章 小熊の子

「なんでもない!」

私はこの穴を見て、まるで幽霊でも見たかのような気分になった。

「なんでもないって、そんなに驚いて。中に何があるの?本当にびっくりしたわ!」水原琉衣は足を踏み鳴らし、不満そうに私を見つめた。

「中に子熊がいる」私は不機嫌そうに言った。

水原琉衣はそれを聞いて、最初は心配そうな表情を浮かべたが、すぐに私をじっと見て言った。「どうやってここに穴があるって知ったの?」

「あの熊を覚えてる?あいつの移動ルートを見て、この辺りに巣穴があるはずだと思ったんだ」

ただ、洞穴の中に子熊がいるとは思わなかった。

入ってすぐ、子熊に一撃を食らわせられた。怪我はしなかったが、ひどく...

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