第3章 助けを求める声

「助けて!誰か助けて…」

.......

その時、私の隣で助けを求める声を聞いた水原琉衣が急に顔を上げ、好奇心に満ちた表情で私に尋ねた。

「助けを求める声が聞こえた?」

「聞こえたよ。でも今の俺たちの状況で、助けられるのかな?」

もし彼らが危険に遭ってなければ、合流してもいいかもしれないが、今のあの切迫した叫び声を聞く限り、間違いなく危険な目に遭っているだろう。

森の中で遇う危険といえば、十中八九は野獣だ。そして今の俺たち二人は、一人は体力がなく、もう一人は足を怪我している。どうやって助ける?

だから先ほどの助けを求める声を聞いた瞬間、立ち止まるつもりはなかった。彼らが助けを求...

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