第39章 知り合い

私が両手で卵を掲げ、落とすふりをした瞬間、大蛇は動きを止めた。

その様子を見て、ようやく胸を撫で下ろした。

「お前が俺を傷つけなければ、俺もこれを壊したりしない!」

一語一語、はっきりと告げながら、大蛇を凝視した。もし攻撃してきたら、すぐさま反応できるように。

大蛇は私の言葉を理解したかのように、さらに後ろへ下がった。その独眼には怒りの色が浮かんでいる。

「よし!」

卵を掲げたまま、慎重に洞窟の入口へと歩き始めた。大蛇の潰れかけた頭部も、私の動きに合わせて回転していく。

時間が刻一刻と過ぎていく。この極度の危険な状況下で、一瞬たりとも油断できなかった。

そうして、ようやく洞窟...

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