第46章 あなたの妻は本当に潤っている

千葉弘也と鈴木美矢に続いて、千葉晃は私が心底嫌悪する三人目の人間だった。

古川陽が見返りを求めず彼を守っていたというのに、彼は感謝するどころか、こんな傷つける言葉を吐く。

これは、また一度、人の心の醜悪な面を目の当たりにした瞬間だった。

一発の蹴りでは気が済まず、もう一発食らわせてやろうと思ったが、古川陽が急いで私を制止した。「十分だ!もう一発蹴ったら、こいつ死ぬぞ!」

突然、私は歯がゆい気持ちになり、怒鳴った。「今こんな状況なのに、お前はまだ弱気なことを言うのか?古川、お前に正義感があるのは知ってるが、正義感はそんな風に使うものじゃないだろ!」

「あいつは俺を罵っただけだ。懲らし...

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