第57章 出会い

私は大蛇の口から逃げ出した後、自分の正確な位置がわからず、水原琉衣を探しに行くことができませんでした。

しかし古川陽の口から客船が難破した場所を聞き出してからは、その手がかりを頼りに、以前水原琉衣と滞在していた場所をすぐに見つけることができました。

テントが撤去され、そこに一つの墓があるのを見て、私は胸をなでおろしました。

もし立ち去る時に水原琉衣が何か危険に遭遇していたなら、テントを持ち去る余裕などなかったはずです。

その墓の前には一本の木の枝が立てられ、その上に刀で曲がりくねった文字で「木川鋭之墓」と刻まれていました。

「琉衣か...」

私は感慨深げに呟きました。

水原琉衣...

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