第66章 硬い蔓

四人と、それに成長期真っ只中の熊が一頭。

元々は野うさぎ六羽か、それに相当する重さの動物が捕れれば十分だと思っていた。

しかし、驚いたことに、裂け目から出てみると、うさぎどころか蚊一匹見当たらなかった。

「一体どうなってるんだ?」

俺は呟いた。嫌な予感がする。ここは動植物が非常に多い無人島だ。人々が暮らす都市ではない。

今、俺たちの周りは静まり返っている。

地面は十センチにも満たない雑草で覆われ、周囲の木々は高くも太くもないが、枝葉は非常に生い茂っていた。

常ならざる事が起きる時には、必ず何かある。

「琉衣は俺の後ろに。クロ、お前はしんがりだ!」

俺の真剣な表情を見て、水原琉...

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