第70章 これが初めての殺人ではない

翌朝。

皆が眠りから覚めると、昨日とは打って変わって、どこか気まずい雰囲気が漂っていた。

「こうしよう、まずはあんたたちを避難所に送り届ける! あっちの方がまだ安全だろうしな!」

一晩考え抜いて出した結論を、俺は口にした。

佐藤衛は少し驚いた様子だ。「西村晴馬、千葉雪のことが心配なのか? 安心しろ、昨夜みたいなことはもう二度と起こさせないと保証する!」

俺は笑って首を横に振った。

佐藤衛はさらに続けた。「それに、島の岸へ向かう道を探すんじゃなかったのか? もしかして、俺が足手まといだと?」

俺は手を振って説明した。「違う。この先にどんな危険が待ち構えているか分からない。それに、こういうのは水原...

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