第73章 スーパーイーグル

「西村晴馬、どうしよう?」

水原琉衣の血の気を失った小さな顔には、隠しきれない恐怖が浮かんでいた。

生きた人間が腹を裂かれ、頭を砕かれるのを目の当たりにしたのは、彼女にとって初めてのことだった。しかも、その相手はほんの少し前に自分と話したばかりの人物なのだ。

俺の表情も、この上なく険しいものになっていた。

山に入る前、自分では覚悟を決めていたつもりだった。だが、まさか危険が空からやって来るとは思っていなかった。

佐藤衛にまで、あの隙に乗じて逃げられてしまった。

完全に俺の計算違いだったと、認めざるを得ない。

今、俺と水原琉衣は木の幹にぴったりと身を寄せ、顔を出すこともできずにいた。

あの大鷲の...

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